<御伽草子ー其の壱ー>



昔々の、御伽噺。
さて、今日はどんな話が聞けるのでしょうか?


「零殿!!早く聞かせてほしいでござる!」
「はは!くのいちの仕事に御伽噺が加わるなんてねぇ」
「では、お話いたしますね。幸村様、長」





――――――――――…………。




「これを、森に住んでいるお館様の所へ持って行ってきてね」


籠の中に日本酒、おつまみを詰め込んで、森の中にいざ行かん!
その者は『赤頭巾』と呼ばれていました。



「………赤頭巾は、一人でござろう!!!?何故政宗殿もいるのでござる?!;」
「Haan?主人公だぜ?俺がやらねぇで誰がやるんだよ?」
「赤は某の色でござる!!」
「お前に使いなんてできねぇよ!」


現れたのは、なんと奥州の『青頭巾』でした。
喧嘩していては先に進まないので、
とりあえず二人は森の奥に進んでいきました。



森の中には、怖い怖〜い狼がいるから。
気をつけないといけないよ?



そんなお母さんの言葉を覚えているのかいないのか。
赤頭巾と青頭巾は険悪ムードで花畑に通りかかりました。


「む、あれは確か薬草でござる!!」
「Ah〜Han?そうなのか?」
「うむ!摘んでいってお館様に差し上げるでござる。」
「wait!お前だけにまかせちゃ毒も選びそうだからな」


何だかんだで、自分で料理をする青頭巾も少しは知識があるようで、
二人でここは休戦し、花畑から薬草を頂戴することにした。
花畑の中で動く赤頭巾と青頭巾の後姿に、
狙いを定める鋭い眼光がありました。
そうです、お母さんが言っていた怖い怖い狼です。


「ふぅん・・今日はお腹一杯にできそうだねぇ♪」


森の中の心優しい(え)狼。
狼が狙っているのは、どうやら赤頭巾と青頭巾ではなく、
その籠に入っている普通の食べ物のようでした。
人を食べないとても優しい狼のようです。


「さぁて、お仕事お仕事っと!」


狼は音も立てずに、じっくりと二人に近づきます。


「青頭巾殿!これも大丈夫でござろう?」
「yes!あとこれは食える。調理したら美味いぜ?」
「おお!!真か!」
「・・・(今のうちに頂いちゃおう)」
「んで、こっちは調理したら美味いのかねぇ♪」
「うっわ!?バレてたの?!;」
「「っ!??」」


青頭巾は狼の尻尾を掴み、腕でしっかりと捕まえた。
しかし、二人はその捕まえたものの姿に固まってしまったのでした。


「いったぁ・・尻尾・・そ・・っな・・握らないでぇ;//」
「っ・・・!?(やっべぇ!!いじめてぇ!!)」
「(何で御座る!!この可愛らしい狼は!!)///」
「ちょ・・赤い頭巾の旦那!・・はな・・ぢ;//」
「あ、ああ・・//;」
「ねぇ・・はな・・してぇ;//」
「・・・・・・。」
「青頭巾殿?」
「・・・気に入った。赤頭巾。先に武田のおっさんとこにいってろ。」
「んな?!おっさんというなでござる!!」
「Hey!cute wolf♪what's your name?」
「え?・・な・・っにぃ?ひゃん!!;//」


青頭巾が尻尾を握るたびに、狼は甘い声をあげる。
膝をガクガクと震わせて、耳も垂れ下がってしまっている。
ちなみに、幸村が鼻血を出した狼の姿は、
上半身はノースリーブのへその見えた黒いランニング。
下は短パンでまさに露出万歳な衣装。
さらにオプションにふさふさの耳と尻尾をつけて

今なら定価!「100万両」で裏バサラ屋にて発売開始!

「か・・・買ったでござる!!お館様に前払いしてもらって!買うでござーー」
「No!!こいつは俺がもらう。赤頭巾よぉ、hurry up!storyが進まねぇぜ?」
「うう・・し、しかし・・・」
「さっさと行け!さぁて・・cute wolf!名前はなんだい?」
「言ったら・・離して・・くれるかい?;//」
「sure♪名前は?」
「・・さ、佐助・・//」
「good!イイ子だなぁ♪行けよ赤頭巾」
「むむぅぅ・・・・;;」


赤頭巾は本当に残念そうに、足も中々進まないながらも
敬愛するお館様の元へと走っていった。










――――――。(裏で早速政×狼佐を書きますよ!)





「ぐす・・あとで・・殺してやる;//」


何故か泣きながらお館様の住む家へ先回りした狼。
いったいあれから何があったのでしょうか?
それは、まあおいておきましょう。
こっそりと家の中へ入り込み、
信玄の眠っている布団へと近寄ります。


「・・むぅ・・情けないわい。風邪とは;」
「(あら、駄目じゃない、ちゃんと食べてなさそうだ。)」
「寝ていれば治るか・・」
「駄目にきまってんでしょうが。大将さん」
「狼か・・何用じゃ?」
「おかゆ作ってあげますから。それ食べてから寝てください。」


信玄が気になったのか、狼は元々優しいので
台所でおかゆを作り始めました。
その様子を見守っている信玄。
二人は端から見ればまるで
『熟年夫婦』のように見えました。


「はい、おかゆですよ。」
「すまんな」
「いえいえ。大方、鍛錬で汗をかいたからじゃないですかね」
「うむ、そうかもしれんな。」
「あ、熱いですから、冷まして・・っ!?//」
「礼じゃ・・。」
「ぁ・・・ちょっと・・大将;?//お礼なんて・・」
「幸村がくるまでに、治してしまわねばのう、風邪を。」
「・・・もぉ・・大将まで;//」




―――――…………。(信×狼佐もよろしく!笑)



「は・・はぁ!ここでござる!!」


ようやく到着の赤頭巾、幸村。
元気よく「失礼致します」と家に入る。
布団からは少しはみ出た耳が見えた。
それに胸がキュンとなる赤頭巾。


「(ま、まさか・・これは・・誘ってーー)」
「赤頭巾の旦那。大将ならここにはいないよ?」
「そ、そうか。おぬしはどうしたのだ?」
「・・・う;(腰たたねぇんだよ!!;)」
「具合でも悪いのか?佐助」
「・・・うん;」
「真か?!;こ、これを!薬草だ!!;」
「旦那。これ、おれが教えた薬草;?」
「うむ!ちゃんと覚えておるぞ!」
「偉いねぇ!旦那・・・って台本からそれてるでしょうがぁ!!」
「ぐほぅ!!?;」



―――軌道修正中。


必死に赤頭巾ストーリーに戻していると、
どこかから火薬のにおいが漂い始めた。
佐助はどうにか身を起こし、
辺りの気配を探る。


「悪い狼(佐助に近づく虫)は退治すんぜ!!」
「も・・元親さん!!?;駄目!!うっちゃだ――」
「うてぇ!!!野郎共!!」
『アニキいい!!!!』



・・・・ド〜ン(しょぼいな)


「けほっ・・だ、旦那ぁ?;」
「見つけたぜ?佐助ぇ♪」
「ちょっと!猟師の旦那!あんまりじゃない!;」
「まあそういうなよ!悪い狼は成敗したしな。いくぜ!」
「うっわ!何この抱き方?!;横抱きしないで!!;///」
「今から風呂だ!綺麗に洗ってやるからなぁ♪佐助」
「・・・はは・・冗談。もう、勘弁しろよお!!!;」




こうして、赤頭巾の話は、オチなし意味なしで終わりを告げたのでした。



めでたしめでたし。(をい)




―――――。



「赤頭巾の出番がないでござる!!!」
「・・幸村様、ご安心を。ひそかにあります故」
「ま、まことか?!;」
「はい!(にこり)」
「・・・・(暫く、姿晦まそう)」




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